歯科コラム
睡眠不足でむし歯や歯周病になりやすくなる?
皆さんは毎日しっかり睡眠を取れていますか?
忙しい毎日の中で、「なかなか寝る時間が確保できない」「最近ぐっすり眠れていない気がする」とおっしゃる方は少なくありません。
実は、睡眠不足はお口の健康とも深くつながっています。「歯磨きをしっかりしているつもりなのに、なぜかむし歯や歯周病が繰り返してしまう」、という方の中には、睡眠の乱れが影響しているケースもあるのです。
今回は、睡眠とお口の健康の関係について、対策方法も含め、わかりやすく解説していきます。
睡眠不足が体に与える影響

生活習慣病のリスクを高めてしまう
「睡眠不足」というと、「日中に眠い」「疲れが取れない」という程度のことと思われがちです。でも実はその影響はそれだけにとどまりません。
厚生労働省のサイトでは、睡眠不足や睡眠障害による休養不足は、精神と身体の両方に悪影響をもたらすことが示されています。慢性的な睡眠不足は、生活習慣病にかかるリスクを高め、症状を悪化させることも明らかになっています。
参考サイト:厚生労働省「睡眠と生活習慣病との深い関係」
免疫力が低下する
睡眠中は、体が傷ついた細胞を修復し、免疫機能を整える大切な時間です。睡眠不足が続くと、この修復・回復のプロセスが十分に機能しなくなり、ウイルスや細菌に対する抵抗力が弱まります。これはお口の中の細菌に対しても同様で、体が細菌の攻撃をうまく防げなくなってしまいます。
なぜ睡眠不足でむし歯・歯周病リスクが高まる?
歯周病菌への抵抗力が落ちる
先に述べた通り、睡眠不足は免疫力を低下させます。歯周病は細菌感染症の一種です。免疫機能がしっかり働いていれば、多少歯周病菌が増えても体が抑えてくれますが、抵抗力が下がった状態では細菌の活動をうまく抑えられず、歯茎の炎症が進みやすくなります。
歯周病は歯を失うトップを占める病気ですが、ひどくなるまで痛みなどの自覚症状が出にくく、気づいたときにはかなり進んでいた、というケースも珍しくありません。
関連ページ:歯茎の出血が続くのは放っておいても大丈夫?
ストレスホルモンがお口の環境を悪化させる
睡眠不足になると、ストレスホルモンの一種である「コルチゾール」が多く分泌されます。コルチゾールが増えると、体の炎症反応が促進されてしまいますので、歯茎の炎症を起こしやすくなります。
また、ストレス状態になると、歯ぎしりや食いしばりが起きやすくなり、歯や歯を支える骨へのダメージを引き起こしやすくなり、むし歯や歯周病のリスクを高めてしまいます。
参考サイト:文部科学省「ストレスホルモン「コルチゾール」の働きとは!?」
睡眠といびきの関係にも注意
「たくさん眠っているはずなのに疲れが取れない」という方の中には、いびきや睡眠時無呼吸症候群が原因で睡眠の質が落ちているケースがあります。
いびきをかいている間は口が開いていることが多く、口呼吸になることで口の中がより乾燥し、唾液の保護機能が低下します。これがむし歯・歯周病リスクをさらに高めることにつながります。
関連ページ:いびきの放置は寿命を縮める可能性がある?対応策について解説!
むし歯・歯周病を防ぐための生活習慣
睡眠時間を確保する
まずはしっかり眠ることが大切です。成人の場合、一般的に7〜8時間程度の睡眠が推奨されています。寝る前にはスマホやパソコンの使用を控える、寝室を快適な温度・明るさに整えるなど、睡眠の質を良くする環境づくりも心がけてみましょう。
就寝前の歯磨きを丁寧に
睡眠中は唾液腺からの分泌が特に少なくなるため、寝る前のお口のケアはとても大事です。寝る前には時間をかけて丁寧に歯磨きをすることで、口の中の細菌量を減らすことができ、寝ている間のむし歯・歯周病リスクを下げることができます。
その際、デンタルフロスや歯間ブラシも合わせて使うことをおすすめします。
定期的なメンテナンスでリスクを早期発見
セルフケアで取り切れる汚れには限界があり、取り切れない汚れがむし歯や歯周病をいずれ作る原因にもなります。
それを避けるためには、定期的に歯科を受診してクリーニングや検診を受け、予防、早期発見を心がけることが大事です。
関連ページ:むし歯がゼロの人ほど要注意!陥りやすいリスクとは?
まとめ
睡眠不足は、免疫力の低下やストレスホルモンの増加などを通じて、むし歯や歯周病のリスクを高める危険性があります。お口の健康を守るには、毎日の歯磨きだけでなく、十分な睡眠をとることも大切なケアの一つです。
「眠れていないかも」と感じたら、生活習慣を見直すとともに、定期的な歯科検診も忘れずに取り入れてみましょう。
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