ストレスの多い人ほど歯医者に行った方がいい理由
そのため、ストレスが多い現代社会では、トラブルを防ぐためにも、よりこまめに歯科医院でのメンテナンスを受けることが勧められます。
今回は、ストレスがお口の健康に及ぼす影響についてご紹介していきます。
ストレスによってお口に起こる変化
唾液の分泌が減る
ストレスの多い状況下では、自律神経が興奮する状態に傾き、唾液の分泌が低下してしまいます。そうすると、唾液のさまざまな効能が失われることとなり、口内の健康状態が悪化してしまいます。
食いしばり・歯ぎしり
ストレスがかかると、日中の食いしばりや夜間の歯ぎしりが増えることが分かっています。
こういった食いしばりや歯ぎしりというのは、体重以上の力を持続的に歯にかけ続けることになり、歯やあごにとって大きなダメージとなります。
ストレスにより実際に現れやすい口内外の問題
むし歯・歯周病
ストレスによって唾液が減ると、唾液の持つ自浄作用、免疫作用、中和作用、再石灰化作用といった歯や歯茎の健康を守る効能が働きづらくなってしまうため、むし歯や歯周病にかかる、もしくは悪化するリスクが跳ね上がります。
また、食いしばりや歯ぎしりが起こりやすくなることによっても、歯に細かな日々が入りやすくなってそこからむし歯ができやすくなりますし、過剰な力によって歯を支える組織が弱り、歯周病が悪化しやすくなります。
顎関節症
ストレスがひどくなると、食いしばりや歯ぎしりが起こりやすくなり、あごにも負担がかかるため、「顎関節症」を発症しやすくなります。
顎関節症は、関節の雑音、口が開きづらい、あごの痛み、といったような不快症状を起こし、辛い症状に悩まされることも少なくありません。
詰め物・被せ物・差し歯が取れる
ストレスからくる歯ぎしりや食いしばりが日常化すると、歯に強い力がかかり続けてしまいますので、詰め物や被せ物、差し歯が頻繁に取れる、といったことも起こりやすくなります。
歯が割れる
とくに、神経を抜いた歯の場合、歯がもろくなっているため、ストレスによる食いしばりや歯ぎしりがあると歯が割れてしまって、抜歯しなければならなくなることもあります。
このような状況に陥らないためには、まずはリラックスする時間をとる、自分の好きなことをする、しっかりと休息するなど、ストレスコントロールをすることが大事ですが、やはりどうしても簡単にいかないこともあるでしょう。
そのため、せめてお口の健康を損なわないためにも、定期的(3~6か月に一回)に歯科で検診を受け、悪いところがないかをチェックする、歯のクリーニング等のメインテナンスを受ける、といった予防歯科を実践することをおすすめします。
予防歯科を実践することで、むし歯や歯周病の予防や、早期発見・早期治療が可能になり、悪い状況に陥ることを防ぐことができるからです。
また、食いしばりや歯ぎしりをしている場合、日中の食いしばりは意識してやらないように心がけ、夜間の歯ぎしりに関しては、就寝中に装着するマウスピースを歯医者で作るといった対策をすることで、歯やあごを守ることができるので、歯科で相談してみるとよいでしょう。