COLUMN歯科コラム

大人になってから歯並びが変わってきた!原因と対策

「なんだか最近下の前歯が重なってきた気がする」
「だんだん前歯が出っ歯になってきた」

診療室で、大人の方からこのようなご相談をいただくことは少なくありません。
歯並びは子どものころに決まり、大人になったら変わらないと思われがちです。

ですが実は、歯はずっと一定の位置にあるのではなく、大人になってからも少しずつ動いています。今回は、大人になってから歯並びが変わる原因と、対策法についてお話しします。

歯は大人になっても動き続けています

大人になってから歯並びが変わってきた!原因と対策

歯は骨に埋まっていますが、実際には直接固定されているわけではありません。
歯の根の周りには「歯根膜(しこんまく)」というクッションのような組織があり、噛む力や舌・唇の圧力を受けながら、わずかに動ける仕組みになっています。

そのため、歯を支える骨が弱くなったり、歯に偏った力がかかり続けたりすると、時間をかけて歯の位置が少しずつずれていきます。

大人の歯並びが変わる主な原因

歯周病

大人の歯並びの変化で、大きく影響を及ぼすのが歯周病です。歯周病が進むと歯を支える骨(歯槽骨)が溶けてしまい、歯がしっかり固定されなくなります。すると、噛む力や舌の力に押されて、前歯が前に出てきたり、歯間にすき間ができたりすることがあります。

関連記事:歯茎の出血が続くのは放っておいても大丈夫?

参考:歯周病とは(厚生労働省 健康づくりサポートネット)

歯ぎしり・食いしばり

本来、上下の歯が触れ合っていい時間は食事の間だけで、1日の中でもごくわずかです。ところが、寝ている間の歯ぎしりや、日中の無意識の食いしばりがあると、歯に強い力が長時間かかります。

その結果、歯がすり減ったり、少しずつ傾いたりして、噛み合わせや歯並びが変わってしまうことがあります。

関連記事:ストレスの多い人ほど歯医者に行った方がいい理由




参考:「歯ぎしり」「くいしばり」(全国健康保険協会 北海道支部)

舌のクセや頬杖などの生活習慣

舌で前歯を押すクセ、頬杖、うつぶせ寝、口呼吸なども歯並びに影響します。一つひとつの力は小さくても、毎日続くことで歯はゆっくりと動いていきます。スマートフォンを見るときの姿勢が、あごや口元に負担をかけていることもあります。

関連記事:スマホの使い過ぎは歯に悪影響を与える?スマホ顔にも要注意!

歯を失ったまま放置

抜けた歯をそのままにしておくと、両隣の歯がすき間に向かって倒れ込んだり、噛み合う相手の歯が伸びてきたりします。1本の歯を失っただけでも、時間とともに全体の噛み合わせが崩れていくことがあります。

関連記事:歯を失う原因って何?

親知らずや加齢による変化

奥に生えている親知らずが、手前の歯を押して歯並びを変えてしまうこともあります。また、年齢とともに歯茎が下がったり、歯がすり減ったりすることも、歯並びの変化につながります。

歯並びの変化を放置するとどうなる?

歯並びが乱れると、歯ブラシが届きにくい部分が増え、汚れがたまりやすくなります。その結果、むし歯や歯周病が進みやすくなり、さらに歯並びが崩れるという悪循環に陥ってしまうこともあります。

「最近、歯に物が詰まりやすくなった」と感じたら、それは歯並びが変わってきたサインかもしれません。

関連記事:歯に物が詰まりやすい状態を放置すると起こること。対策についても解説!




参考:歯周病と歯並びの関係について(全国健康保険協会 佐賀支部)

歯並びの変化を防ぐ・改善するための対策

歯周病ケアを怠らない

歯並びを守る土台は、健康な歯茎と骨です。毎日の歯みがきに加えて、デンタルフロスや歯間ブラシで歯と歯の間の汚れも落としましょう。すでに歯周病がある場合は、早めに治療を始めることが大切です。また予防、悪化防止のために継続的なケアも行っていきましょう。

関連記事:フロスと歯間ブラシ、どっちを使うべき?正しい使い分けを解説!




参考:歯周病の予防と治療(厚生労働省 健康づくりサポートネット)

歯ぎしり対策とクセの見直し

歯ぎしりが気になる方には、寝ている間に装着するマウスピースで歯を守る方法があります。日中は、ふと気づいたときに「上下の歯が触れていないか」をチェックし、歯の接触をなるべく避けることが大事です。頬杖や舌のクセも、意識するだけで少しずつ改善できます。

関連記事:歯ぎしりで歯が割れることも…割れやすい「歯」の見極め方!

大人の矯正治療という選択肢

歯茎や骨の状態が整っていれば、大人になってからでも矯正治療で歯並びを整えることが可能です。最近では、取り外しができて目立ちにくいマウスピース型の矯正装置も選べます。

歯周病がある場合は、まず歯周病の治療を優先し、お口の状態を安定させてから矯正を検討します。

関連記事:【インビザライン矯正】マウスピースはいつでも取り外しができて便利!

参考:歯と歯並びのニューズレター Vol.11(公益社団法人 日本臨床矯正歯科医会)

定期検診・メンテナンスを欠かさない

歯並びの変化はゆっくり進むため、ご自身ではなかなか気づきにくいものです。定期的に歯科医院で検診とクリーニングを受けることで、歯周病やむし歯の有無のチェック、噛み合わせの変化を早い段階で見つけることができます。

関連記事:見た目だけじゃない!歯のクリーニングの驚くべき効果とは?

まとめ

大人になってからの歯並びの変化には、歯周病、歯ぎしり・食いしばり、日々のクセ、歯を失ったままの放置など、さまざまな原因が関わっています。そして、歯並びの変化はお口の中からの大切なサインでもあります。

「年齢のせいだから仕方ない」とあきらめず、気になる変化があれば早めにご相談ください。原因を一緒に確かめ、お一人おひとりに合った対策をご提案いたします。

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